化石の知識 時は令和ナリ

介護日記
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✔2回も言わないで。

今日の名古屋は曇ってはいたものの、気温が上がりました。
散歩のおじさんが半袖で歩いていました。

私は、来年度に認知症の小さなイベントをやろうと画策しています。
その準備をしている時に驚いたお話です。


イベントの場所を借りたくて、方々に電話問い合わせをしていた時のこと。

「(※認知症というと、突然走ったり、隣の部屋のドアをバーンと開けたりしなければ、
他の方の迷惑にならなければ使っていただいていいですよ)」

と、にこやかに明るく言われましたので、

「私は介護職です。在宅介護も経験しています。
そこまでの方は今回は来ないと思いますし、
来ても私が対応します。お手洗いも、もちろん綺麗にして帰ります」

「そうですか、でも、(※以下同文)」

「ありがとうございます。お話聞いていただいてありがとうございました。
また日程が合えばお願いします」

ここ以外の他の会場は、詳細を聞いて逆に理解を示してくださった。
私は、自分が良いことをしているつもりはなく、
やらなくてもいいことをやっています。
その面倒なことに巻き込まれてくださって、本当に感謝です。

✔そういえば、一人いた。大暴れするおばあちゃん。

コロナの厳戒態勢が始まった頃、
私は病院で医療事務をしていました。
勤務先は発熱外来もやっていたので、
防護服を着て対応したものです。

そんな時、母が発熱したから診て欲しい、と電話があり、
来て頂いたところ、お母様はかなり認知症が進んでいました。

別居の息子さんたちが連れてきましたが、手に負えず。
お母様は、隔離部屋から「うふふふっ」と笑いながら出てきて、
すべてのドアとカーテンを開けようと院内を走り回り、
小さな子供のように楽しそうでした。
幸い、夜の一番最後の診察時間に設定していたので、
他の患者様にはすぐにお帰り頂けてよかった。
制止するのが本当に大変でしたが、落ち着いて声掛けを続けると、
座っていられるようになりました。
きっと初めての場所で不安だったのだと思います。
検査は陰性でしたが、帰った後の消毒がしんどかった。

私がこれまで介護を続けてきて、いろんな人に会いましたが、
知らない場所で走り回ったり、ドアを開けたりする人は、この方だけでした。

✔時代と共に対応も変わった。

昔は、認知症や障害を持っている人のことを、
差別的な名称で呼んでいた時代がありました。

平成16年、厚生労働省による用語を訂正、新しくする検討の結果、
今のような病名で呼ばれるようになったそうです。
同時に、病気に対する対応や認識が改善されていきました。

認知症の人が、飛び回ったり、大声を出したりするのには理由があります。
ゆっくり対応すれば、他人に対してはそこまで暴れたりしないことがほとんどです。

前出の受付の女性のかたは、悪気は一切感じられない、
当たり前のことを言っている口調でした。
確かに、暴れる可能性はゼロではないけれど、決めつけないで欲しい。
声色から、ちょっとお年を重ねた様子が伺えました。
ニュースを見たり、新聞読んだりしてないのかな。
認知症や障害の方を取り巻く環境や世間の認識は変わってきたんだぜぇ。

年を重ねた人ほど、自分で意識しないと知識のアップデートはされない。

私も、職場で年下の方たちに教わっています。
若い人たちのほうが、最新の知識が頭に入っていて判断も早い。

体力もあり、気もきいて、おまけに優しいときたもんだ。
私も、よれよれとでも、考えをアップデートしてゆかねば、
時代にも介護にも取り残されてしまいます。


まだ平成16年以前にいる人たちに、
ちょっとだけでも今の認知症の情報が届くといいな。

今日、NHKでシーラカンスの番組やってたな。見れなかったな。
私は暗に文句、言ってないですよ、たぶん。
うふふふ。

働くぞ。






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